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野田地図 「南へ」で思う 

池袋でNODA・MAPの「南へ」をみた。

野田 南へ


正直、がっかりした。私の感受性が鈍ってるだけかもしれないが、あえて書く。

初日から1週間たってない数日目だから、仕方ないのかもしれないが、主役二人の力量不足による体に響いて来ない言葉や間。脇の役者陣に助けられている。でもそれは多くのいつものパターンか。「影武者」の2人は適役。

しかし一番の原因は脚本、野田さんだと思う。

あれだけ、わかりやすく、説明しすぎなくらいに、彼の得意とする要素と時代性をいれているのに。
(観客の)私には、感情的に直接的にドキドキハラハラも、思考的にも思い巡らすこと少なく、野田さんからのメッセージ、あるいはいつもの「つきつけられる感/突き落とされる感」はなく、単調だった。

未完成かと思った中途半端さ。言葉は発せられるが、役者の体は何も放出していない。シナリオは、容易に語りすぎで、説明的。それにもってラストの、極端なオチ。

ラストも野田さんの趣味的には分かるけど…、もっと両親との別れと、虚言をつきつづけなければいけないことをに、余韻や時間を割くべきと思った。なんかぶつ切り感もそんなになく、さらっと終わった。
ラスト直前にの盛り上がりや提起も、なんか空々しかった。

コクーンでの「ロープ」「パイパー」がやはり私が好きすぎたのか??
前回の「キャラクター」での巻き上げ、叩き込む要素もなかった…。あれは突きつけられかなり辛かったが見ごたえがあった。
今回は、もっと思考したいという思い、裏を裏を全身で受け止めたいという感じ方は全くできなかった。


本当にあれだけカーテンコールしていたの、会場の皆さん本意なんだろうか?
よかったの??20年程度だが野田ファンだと思うが、こんなに拍手に疑問を思ったことはなかった。


苦しみや悩み考え、自分の無知さすら突き付けられなかったのは私だけ??
ただ「嘘」をつきつづけなければいけない人、存在の過酷さと愚かしさは心に残っている。
私自身の嘘はどうなんだとも…


遊眠社時代戯曲でしか知らないけど、ロンドン帰国後のコクーンでの野田作品はできるだけみてきたつもり。
理由は野田さんの世界観が好きだから。

しかし昔をみていたせいで、比べてしまうからか、体が動かさなくなったのもいいけど、じゃあ違う側面をみせつけて欲しかった。(池袋では狭いのかもしれないが…)

私には、今回は残念だった。少し単調な舞台。「嘘」というのだけが残った。でも、絵空事的残り方だった。

池袋は、劇場が狭いし古いから、スタート時間も遅いのも悪いのかもしれない。きっかり2時間のステージ。

「虚言癖」は、今回の舞台広告で話した野田さんでは……期待が大きかった分、ファンながら思ってしまった。


時代は変化する、それについていけなかっただけかもしれない。
「嘘」に鈍感になっているのかもしれないし…


もう少ししたら、あの「鈍い」感覚の終わり方が、ひしひしと、嘘をつくことで生きつづけるために、効いてくるのかな…そうだったら、いいのにな…



少し前に「贋作・桜の森の満開の下」のVTRをみてしまった。動き回る頃の野田さん。
最近はオバサン役が多いよね。自分がメイン貼るわけじゃない、劇中のガイド役だからかもしれないけど…

コメント

http://bit.ly/eNGB28

野田さんが野田地図のPで、「劇場の灯を消してはいけない」の文章UP。こんなときに…じゃなき、こんなときに演劇をはじめ、心を動かすものは必要なのだと思う。
人間の営みの中に、心の活性化は必須だよ。

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